未来のいつか/hyoshiokの日記

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ソフトウェア職人気質―人を育て、システム開発を成功へと導くための重要キーワード (Professional Computing Series)

倉貫さんが、ソフトウェア職人気質―人を育て、システム開発を成功へと導くための重要キーワード (Professional Computing Series)を紹介していた。
ずいぶん前に読んだのだけど、本棚から引っ張りだして、パラパラと再読した。180ページほどなので、お気楽に読めるのであるが、中身は濃い。

最後の章(19章)は「永続的な学習」を取り上げている。1)学習環境を作り上げる。2)ソフトウェア開発における技芸の熟達。3)訓練コースは細心の注意を払って選択すること。4)ソフトウェア開発コミュニティ内で目立つことを奨励する。5)内省的な実践者になる。

学習環境を作り上げる。

1)学習環境を作り上げるために、組織内に講座を設ける。2)興味深いテーマのセミナーには部外者も招待する。3)学習時間はプロセス改善の投資である。
具体的なコツがいろいろ詰まっている。

ソフトウェア開発における技芸の熟達。

1)ユーザ・グループや会議への参加を奨励する。「経験豊富な要員にとっては訓練コースよりも会議の方がよい選択となるかもしれませんが、経験の浅い要員にとっては訓練コースが最適な選択となるはずです。」

訓練コースは細心の注意を払って選択すること。

1)コースに先立って講師との関連を築き上げる。2)各コースの後に講師とともにフォロー・アップを行う。3)コースが失敗した場合にはその問題に対処する。

ソフトウェア開発コミュニティ内で目立つことを奨励する。

1)会議への参加を奨励する。2)講師になるように奨励する。3)アイディアを執筆することを奨励する。

内省的な実践者になる。

「永続的な学習とは、すべての開発者が自身のスキルを向上させ続けるために行う挑戦です。ソフトウェア工学という考え方には、開発者自身が構築対象ソフトウェアに必要なすべての情報を理解していると錯覚させてしまうという大きな問題があります。ソフトウェア開発とはそのようなものではありません。この分野は急速に変化し、また進化しています。(中略)。優れた開発者は、すでに真とは言えなくなった教訓を認識し、その事実を活かしてアプリケーションを構築することを、ますます要求されるようになっています。そして、こういった努力を行えるのが、永続的に学習し、ソフトウェア開発の技芸における上限を押し上げ続けている熟練職人ということになるのです。」

永続的に学び続けるのが熟練職人である。なかなか道は遠い。