コミュニティとしての大学
大学の社会的機能は1)研究、2)教育、3)コミュニティがある。研究というのは、今まで知られていなかったことを発見し、言語化すること。教育は、その言語化した知識を学生に教えること。そして、教育者、研究者を育成すること。コミュニティというのは、教員、学生、卒業生などが集う場を提供すること。
1と2は広くしられているが3については大学によってずいぶん差があるような気がする。
福沢諭吉記念文明塾のOB/OGグループに話をする機会があった。文明塾というのは慶應義塾大学が主催するリーダー育成のための半年ほどのコースである。
http://www.fbj.keio.ac.jp/
学生時代の友人の玉谷さんに呼ばれて、ハッカー文化について与太話をした。小一時間ほどあれやこれやしゃべって、30分ほど質問、議論、対話をし、その後、大学のそばの居酒屋でさらに飲み会。
慶応は卒業生のことを塾員という。そしてその塾員の集まりを三田会というのだが、いたるところに三田会がある。職場や、地域や、サークルのOB/OG会などである。その卒業生の集まりがコミュニティになり、卒業年次を超えた交流が行われている。
文明塾は慶応の卒業生だけではなく、誰でも参加できるので、さらに広いダイバーシティーがあり、その修了生が時々集まって勉強会のようなものをしているらしい。
われわれは言葉にできない知識を持っている。それを暗黙知と呼ぶが、その暗黙知を共有することが重要だと言われている。社会人、学生などが集まって一緒に議論するということはまさにそのような暗黙知を共有する場になる。わいわいがやがや喧々諤々、自由闊達な議論がイノベーションの種になる。年齢も性別も地位も関係ない場というのは貴重である。
そして慶応はそのようなコミュニティを意識して作っている。研究でも教育でもなくコミュニティを提供している。これは大学の重要な機能の一つである。
社会人、学生を集めるという機能についてもっと他の大学も積極的に行ってほしいと思った。
なかなか楽しい会であった。やはり文明塾に行ってみるかなー。
話す機会を作ってくれた玉谷さん、ありがとー。