未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

Winnyの利用者数はどのくらいなのか?

社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会ACCS)と社団法人日本レコード協会RIAJ)は、2004年4月に、「ファイル交換ソフトの利用実態」を調査した。http://www.accsjp.or.jp/release/040628.html

それによれば、

インターネット利用者数の推移を考慮すると、2004年調査では、ファイル交換ソフトの「現在利用」は約94万9,000人(2003年調査・98万6,000人)、「過去利用」は約145万7000人(同・87万人)となり、合計約240万6,000人(同・185万6,000人)が利用経験者と推計され、「現在利用」の人数はやや減少傾向にあるという結果になっています。

というおびただしい人々が利用しているということになっている。

この約240万人というのは、http://www3.nhk.or.jp/news/2004/06/29/k20040629000011.html
として既成の事実として報道されている。

この240万人というのは正しい数字なのか?
その調査のオリジナルが公開されているので読んでみよう。http://www.riaj.or.jp/report/file_exc/pdf/p2psurvey2004.pdf

それによれば、調査はWebアンケートによって行われたとある。有効回答数23,707人とかなり大規模である。

回線種別でいうとナローバンドが2190人、ブロードバンドが20955人である。(??)

総務省のインターネット利用者等推移でインターネット利用者を3389万人としているので現在利用者2.8%、過去利用者4.3%をかけ、利用経験者約240万人としているのである。(ここまでの算数は理解できましたか?)
3389万人のうち7.1%(2.8%+4.3%)が利用しているから240万人という計算である。

Webアンケートがサンプルとして正しいサンプルを抽出しているのかという素朴な疑問に対して当該報告書は明確に回答をしめしている。もちろん日本のインターネットユーザーを正しくサンプルしたものではない。

YahooBBのおかげで日本のブロードバンド人口は飛躍的に増加したが、それでもせいぜい数百万人のオーダーでしかない。残りのユーザーはダイアルアップをはじめとするナローバンドユーザーである。

当該報告書の3ページに利用種別ごとの利用者がでている。ナローバンドの場合過去の利用者も含めて4.2%、ブロードバンドは同7.4%である。仮にナローバンド利用者が2500万人がブロードバンドインタネット利用者が800万人だとすると、2500*4.2=105万人、800*7.4=59万人となる。現在の利用者がそれぞれ1.3%、3.0%なので、32.5万人、24万人となり随分報道の数字とことなる。ざっくりいって実際利用している人は報道より一桁少ない感じである。

http://www.itmedia.co.jp/news/0306/18/njbt_02.html
によれば、ネットアーク社が独自に開発したP2Pノード自動検索システムによりユニークノード数を推定したところ2003年の推定だが約6万5千ノードとなっている。

ACCS等の調査による推定は非常に水増しでミスリーディングなものだということは言える。

そのいいかげんな推定値によってWinnyの影響が過大に見積もられているという点には注意が必要である。

http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000047715,20069509,00.htmACCS等の調査そのまま報じている。