ロードムービーが好きだ
ロードムービーというのは主人公がなにかのきっかけで旅に出ることになって、その道中でいろいろな事件に巻き込まれながらも、どうにかこうにかそれを解決していって、様々な困難に打ち勝つことによって成長していくと言う物語だ。
人生なんて言うものはロードムービーみたいなもので、いまは平和な時を過ごしているとしても、次の日には、いきなり追いはぎに身ぐるみを剥がされてしまうかもしれないし、身に覚えのない犯罪の嫌疑をかけられてしまうかもしれない。あるいは、余命幾ばくかもない不治の病にかかってしまう。
そのような様々な困難に向き合うのがロードムービーで、主人公は挫折しそうになりながらも、どうにかその困難と折り合いをつけていく。
旅というのは、そのようなロードムービ的な非日常を追体験するもので、ハプニングこそが旅の醍醐味である。旅が終われば帰るところがある。
東海道をてくてく歩くのも、自分にとってはちっちゃなロードムービみたいなもので、散歩の中に非日常を見いだそうとするのもロードムービ的な何かを求めているからに他ならない。
いつか、アメリカの東海岸、ボストンあたりからニューヨークを経由して、西海岸まで車で横断してみたいと思う。ハイウェイをひたすら西に向かう。夕方、場末のモーテルにチェックインして、その街のしょぼいハンバーガーショップでとんでもない量のフレンチフライにケチャップをどばどばかけながら、グラマラスなウエイトレスと与太話をする。
ラジオのDJが今日の天気とトラフィックジャムの情報を流している。なんちゃらブリッジは工事中なので迂回した方がいい。
ヒッチハイクをしている若いおねーちゃんを拾ったことによって、わたしの旅はあらぬ方向へ走り出した。
というような感じの旅をしてみたい。