未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

国際会議としてのLinuxcon Japanの楽しみ方

Linuxcon JapanというLinux Foundationが開催しているカンファレンスに参加した。日本で開催される国際会議で参加者もそこそこ海外からの来ている。
http://events.linuxfoundation.org/events/linuxcon-japan
この手の海外のカンファレンスにはそれなりのお作法があると思う。

技術的なカンファレンスに参加する第一の目的は何かと聞かれたら少なくない人が最新技術動向の情報入手だと答える。まあ、それをとやかくゆうことはないのかもしれないけれど、老婆心ながら蛇足を述べる。

最新技術動向の入手というのを第一義にするのであれば、他に適した方法はいくらでもある。それこそインターネットにはその手の情報がごまんと転がっている。オープンソース系のカンファレンスでは、後に資料が無償で公開されることは少なくないし、学会と違って、そこで世界初の発表をするということでもない。従って最新技術動向の入手と言う意味で言えば、もっと効率のいい方法はいくらでもある。

では、なんでわざわざ時間とお金を払って、カンファレンスに行くのだろう。

わたしは、人と会うためだと思っている。その道の達人やその道の専門家やあるいは同業他社のエンジニアの人たちとあれやこれや雑談をするというのが目的の一つだと思っている。目的と言うと大げさだったら、それが楽しみの一つだと思う。

すくなくともわたしにはそれが大きな楽しみになっている。

全ての参加者がそうすべきだというつもりもないし、そんなことを言ってもしょうがないのだけど、もう少し考えてみる。

Linux FoundationがLinuxcon Japanをはじめたのは2009年で、そのときはLinux Kernel Summitも同時期に開催していて、LinusをはじめとしてKernel Hackers が大挙して来日した。初日にはまつもとゆきひろさんとLinusが対談していてメディアのカバーも多かったことを覚えている。

その当時のLinux Foundation の日本側の中の人たちは、日本人エンジニアに英語での発表の機会を与える、外国のエンジニアとの交流の機会をあたえるというようなことを考えていた。最終的には日本からカーネルエンジニアを輩出することが大きな目的と言われていた。

今回、何人かの日本人の発表を聞いたが、随分上手になっていたように思う。場数を踏めば慣れてくる。その場数が少ないのならそれを増やす機会を作る。Linux Foundation Japanはそれを毎年やっている。素晴らしいことだと思う。

それを参加者の立場で考えてみると、せっかくの機会なんだから、どーせ参加するのなら発表をしてしまう。そーすれば参加費もただになるし、発表の練習にもなるし、自分の考えを世間にも示すことができるし、一石二鳥である。まあ、こー考える人は少数派であることは間違いない。なので、わざわざ日記に書いているわけだ。

そんでもって、カンファレンスに参加した。世界からいろいろな人が来ている。たぶん日本からの参加者が一番多い。

初日。参加者登録をする。ロビーでは、コーヒー、紅茶と菓子パンみたいなのが置いてある。お腹がすいているので菓子パンをぱくぱくする。コーヒーをがぶがぶ飲む。

ちょっと待て。君の隣にいるカーネルハッカーと話をしよう。

いきなり英語で知らない人と雑談はできない。

できない…

冷や汗…

大丈夫だ、わたしが魔法の言葉を教えてあげる。 "Hi, How are you?"
これだけで十分である。

カンファレンスでは知らない人と話をする。これ重要です。なんでもいいから話をする。

いらんお節介かもしれないけれど、年寄りの戯言と受け取ってもらっても結構なのであるが、そーゆーことをあえて言うおじさんがいないので、声を大にして言う。

海外のカンファレンスでコーヒーブレークが30分とってあるのは偶然ではない。知らない人と雑談をするためにあるのである。

あなたは何人の人と雑談をしたのか?それがカンファレンスを楽しむコツである。

二日目の朝、ロビーでコーヒーを注ぐために並んでいた時、わたしのちょうど後ろにならんだちょっとお腹が出たメガネをかけたおじさんに"Hi, how are you"といって雑談をした。いつ来たの、へー、昨日からなんだ、今日だけ参加して、明日帰っちゃうんですか、大変ですねー、実にたわいもない。ちなみにその人はLinuxというソフトウェアを作ったひとで、Linus さんと言う。(笑)

Love & Peace!