未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

Demo or Die.

ひょんなことから産業技術大学院大学が行っているenPiTという教育プログラムにお手伝いすることになって、昨年一年間講義を受け持ったり、分散PBL(Project Based Learning)というのに参加した。

http://www.enpit.jp/

スクラムウェブサービスを作るのだというようなコースをPBLでやった。学生さんが、10週間ほどかけて、せっせとウェブサービスを作る。それを講師陣があーだこーだコメントするというような立て付けの授業になる。

昨日は、その教員のみなさんとの顔合わせで飛び入りでライトニングトークをやったのが上記の写真である。*1 資料はheroku meetupで使ったものをそのまま流用した。 *2

スクラムで、一回のイタレーション(繰り返し)を1週間として、1週間ごとに成果を出して、評価して、そこから何かを学んで、それを繰り返す。このコースでは、チーム毎に独立して開発して、毎週土曜日の10時半から全体で集まって、その週に作ったものを発表するというスタイルを取った。毎回、デモをして、問題点、来週やることを発表し、他のグループのメンバーや講師などからコメントやフィードバックをもらう。

Demo or Dieという言葉はMIT Media Labあたりでよく使われている言葉らしいのだけど、ハッカソンなんかでも、重要視されている価値観で、動くものに価値があるという類いのものだ。学生は毎週発表だというと、最初のうちはパワポを一生懸命作ってきたりしたのだけど、パワポを作る暇があるんだったら、デモを作ろう、プロダクトのバグを直そう、そーゆー価値観である。

毎週動くものをデモするので、見ている方はいろいろ試せるし、具体的な要望も出し易い。常に動くものがある。そして、作る側も、そのようなフィードバックを素早く得られて、製品に反映し易い。ウェブサービスは使われてなんぼの世界なのだから、どうやって、そのフィードバックを得るかがキモになる。それは、動くデモを見せるということにつきる。

今日、そのenPiTのシンポジウムがあって、他の大学のPBLの成果などを聞く機会があったのだけど、スクラムで毎週デモをやるというタイプのプロジェクトはなかった。やっぱり、一生懸命要求分析をして計画を緻密に作ってウォーターフォール的に作るというようなプロジェクトが多かった。

毎週デモをするというのは、確実にプロダクトが成長していくのを確認できるので、優れた方法だと思う。あまり知られていないとしたら、もったいないので、いろいろな場所で紹介していきたいと思った。

あと、細かいことなんだけど、他のプロジェクトではgitとかgithubを使うのではなく、subversionを使っていて、なんでgitを使わないかと質問したところ、難しくて学生さんがついて来れないという回答だった。産業技術大学院大学琉球大学の学生は特に問題もなく使っていることを考えると、わたしは、そんなことはないと思うのだけど、見解の相違という感じだった。

動くものに価値がある。Demo or Die. The future is here.
ソフトウェアを作る人たちと共有したい価値観である。