未来のいつか/hyoshiokの日記

hyoshiokの日々思うことをあれやこれや

世界の美しい図書館、濫読日記風、その23

文字通り「世界の美しい図書館」を100館集めた。日本の図書館も入っている。図書館の写真を眺めていると旅に出たくなる。その図書館で時を忘れて過ごしたい。目的もなくともかくぶらぶらと書庫を回ってみる。素敵だ。この9月に、「大人のきっぷ」を使って、…

タイムスリップ・コンビナート、笙野頼子著、濫読日記風、その22

笙野頼子の作品を初めて読んだ。なにこれ、面白い。タイムスリップ・コンビナートマグロと恋愛をする夢を見て悩んでいたある日、主人公に当のマグロから電話がかかってきたところから話が始まる。ともかくどこかへ出掛けろとしつこく言われ、結局(JR鶴見線…

「エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告」と「アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男」を読んだ、濫読日記風、その21

「エルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告【新版】」と「アイヒマン調書――ホロコーストを可能にした男 (岩波現代文庫)」を読んだナチスによるユダヤ人虐殺のキーマン、親衛隊中佐アドルフ・アイヒマン。1960年に拘束後、8ヶ月、275時間にわたる尋…

エリック・ホッファー自伝ー構想された真実、エリック・ホッファー著、読了、濫読日記風、その20

エリック・ホッファー自伝―構想された真実を読んだ。エリック・ホッファーという人について全く知識なく自伝を読んだ。面白かった。彼は1902年にドイツ系移民として生まれ、7歳で失明し、15歳の時視力回復する。正規の学校教育を受けていない。日雇い労働で…

カラマーゾフの兄弟を再読した、濫読日記風、その19

ドストエフスキーの読書会の最後の課題本が「カラマーゾフの兄弟」で、課題的には一回読了している*1ので特に問題(?!)はないのだけど、なんとなく再読するくらいの勢いがないといけないのではないかと思い新潮文庫版(原卓也訳)で飛ばし読みをした。そ…

論理トレーニング101題、野矢茂樹著、読了、濫読日記風、その18

スゴ本の中の人が選んだ、1万円で“一生モノの教養”を身につけるための5冊 - マネ会に出ていた、論理トレーニング101題を読んだ。この5冊はどれもすごくて一生モノの教養を身につけるというのはまさにその通りだと思う。知人が早速、「論理トレーニング101題…

ドストエフスキーをいろいろと読んだ、濫読日記風、その17

世界近代小説五十選、文学入門、桑原武夫著、(1963年改版)、濫読日記風、その16 - 未来のいつか/hyoshiokの日記で紹介した読書リストから、最初に罪と罰 1 (光文社古典新訳文庫)を読んでみた。ドストエフスキーは名前は聞いたことはあるけど、まるっきり…

世界近代小説五十選、文学入門、桑原武夫著、(1963年改版)、濫読日記風、その16

文学入門 (岩波新書 青版)がスゴ本だというのは、 超ソロ社会、平田オリザさん、文学入門など、読了、濫読日記風、その15 - 未来のいつか/hyoshiokの日記 で紹介した。その世界近代小説五十選を参考までに載せておく。この本を読んだ時点で五十選のただ一つ…

超ソロ社会、平田オリザさん、文学入門など、読了、濫読日記風、その15

超ソロ社会 「独身大国・日本」の衝撃 (PHP新書)を読んだ。(乱読日記風で紹介したい本がどんどん溜まっていて消化不良になっている。積ん読ならぬ積み書き)日本の人口減少と非婚化のトレンドをデータを駆使してこれでもかと解説した書である。 第1章 増え…

パラノイヤだけが生き残る、読了

パラノイアだけが生き残る 時代の転換点をきみはどう見極め、乗り切るのかを読んだ。インテルを80年代に急成長させた伝説の経営者アンドリュー・グローブの名著の復刊だ。AmazonもFacebookもGoogleもなかった頃に書かれた本書を20代、30代の皆さんが、読みこ…

大人の休日倶楽部パスで4日間行き当たりばったりの旅をした

気がつくと59歳、おめでとう、自分。ということでおじさん一人旅を気ままにしてみた。JR東日本の「大人の休日倶楽部パス」というのがめちゃくちゃお得だ。15000円で4日間、JR東日本管内乗り放題。まあ、それくらいだったら青春18きっぷもあるしそれほどお得…

東京読書サミットに参加した

池袋ジュンク堂で開催された第2回東京読書サミットに参加した。白石さんが主宰する「読書するエンジニアの会」が主催者となって、「森の読書会」、「ええやん!朝活」と言う読書会が協賛という立て付けになっている。読書会は色々な形式がありうるので、そ…

数学する身体、森田真生著、読了

「思考の道具として身体から生まれた数学。身体を離れ、高度な抽象化の果てにある可能性とは?」 (数学する身体)タイトルに惹かれて手に取った。何度か逡巡して購入し、しばらく積読だった。先日、数学の認知科学というスゴ本に出会い、数学とその身体性に…

伝説の灘校教師が教える一生役立つ学ぶ力、橋本武著、読了、濫読日記風、その14

上野桜木にある古書店あおば堂で開催された読書会で発見した一冊である。*1今回の読書会は、あおば堂にある本(古書)から、興味を持った本を選んで紹介するという形式で行った。通常の読書会は、自分が読んだ本を紹介するというものが多いが、この場合、そ…

断片的なものの社会学、岸政彦、読了

先日参加したイベント *1 で紹介されていた岸政彦著、断片的なものの社会学を読んだ。社会学の方法論として、質的調査というのがあって、その教科書の質的社会調査の方法 -- 他者の合理性の理解社会学 (有斐閣ストゥディア)も同時に購入した。社会学というも…

本を読め、恋をしろ

モノを書いて自由に生きる。―Writer Career Meeting―というイベントに参加した。ローカルジャーナリストの田中輝美さんと作家・編集者の田村真菜さんのトークを中心にジャーナリストで法政大学社会学部准教授藤代裕之さんがモデレーターをするという構成だっ…

「定年後」と、「一〇〇歳時代の人生マネジメント」、読了、濫読日記風、その13

人生100年時代。寿命が延びることによって、定年後(60歳前後)引退して年金で80歳前後まで生きるという人生のモデルは崩壊しつつある。その文脈で定年後 - 50歳からの生き方、終わり方 (中公新書)と一〇〇歳時代の人生マネジメント 長生きのリスクに備える(…

ライフ・シフトをネタに大学3年生に話をした

先日読んだLIFE SHIFT(ライフ・シフト)をネタに学生にお話する機会があった。ライフ・シフトは人生100年時代の生き方や働き方について記した良書だ。登場人物として、1945年生まれのジャック、1971年生まれのジミー、1998年生まれのジェーン(59ページ)、そ…

偽装死で別の人生を生きる読了、濫読日記風、その12

偽装死で別の人生を生きるを読んだ。学資ローンでにっちもさっちも行かなくなった著者がある日思いつきで「死亡偽装」をネットで検索した。そこから物語がはじまる。ノンフィクション。失踪請負人、偽装摘発請負人、実際に失踪した人、その家族などにインタ…

ゆるゆるゲーデル、エッシャー、バッハ(略してGEB)本、読書会中

ゲーデル、エッシャー、バッハ―あるいは不思議の環 20周年記念版(略してGEBげぶ)本、読書会中*1一体何に関する本なのだという疑問を持ちつつゆるゆる読書会中だ。ゆるゆるゲーデル、エッシャー、バッハ(GEBげぶ本)読むので、「ゆるげぶ読書会」と呼ぶ。…

『学術書を書く』、『できる研究者の論文生産術 どうすれば「たくさん」書けるのか (KS科学一般書)』読了、濫読日記風、その11

東大駒場リサーチキャンパス公開2017に行った。東大生産技術研究所など研究成果を一般公開するイベントだ。中高生なども見学に来ている。最先端の技術が展示されていて面白かった。来年は丸一日遊びに行こうと思った。喜連川先生もお元気そうで何よりでした…

マッチ箱の脳(AI)―使える人工知能のお話と、なっとく! アルゴリズム、共に読了

マッチ箱の脳(AI)―使える人工知能のお話を読んだ挿絵(イラスト)が可愛らしくて、専門書の敷居の高さが低いが、内容はしっかりしている。人工知能の主要なアルゴリズム、遺伝的アルゴリズム、ニューラルネット、エキスパートシステムについて解説する。強化…

作文技術の本のリスト

理科系の作文技術(中公新書)という1981年に発行された名著がある。先日、その本についてお話しする機会があったのだが、それを話すにあたって、作文技術の本をあれやこれや手に取ってみた。本屋で適当に見つけたものやら図書館で手に取ったものなど、備忘録…

ノイマン・ゲーデル・チューリング、読了

ノイマン・ゲーデル・チューリング (筑摩選書)を読んだ。ノイマン(1903/12/28-1957/02/08)、ゲーデル(1906/04/28-1978/01/14)、チューリング(1912/06/23-1954/06/07)の一般向け講演・著作の翻訳と解題・解説からなる。ノイマンは数学だけではなく様々…

バッタ博士の新著、バッタを倒しにアフリカへ、読了

バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)を読んだ。バッタの研究家の前野ウルド浩太郎著の「孤独なバッタが群れる時」は凄い本だ。日記にも書いたし、講演を聞きにも行った。 *1 *2そして本書は、前著にも劣らぬ熱い本だ。バッタに全身全霊をかけている。著者…

心・脳・科学、サール著、読了

心・脳・科学 (岩波人文書セレクション)を読んだ。言っていることはシンプル単純なことなんだけど、理解が全然追いついていない。ちんぷんかんぷんだ。 コンピュータと心に関する哲学書だ。哲学者サールが1984年に行ったリース記念講演を元に記されている。*…

濫読日記風、その10

ブルーバックス2000番記念冊子を本屋で見つけた。ブルーバックスは2017年に、創刊から55年目を迎え、刊行点数2000点を達成した。科学技術とブルーバックス2000冊のあゆみという副題を持つ本書はブルーバックスの格好なガイドになっている。中高生のころ…

濫読日記風、その9

数学と仲良くなりたい。数学と和解したい。中学校くらいまでは数学と仲良しだった。それがいつの間にかに苦手になった。それはいつの頃からなのか。何度となく取り上げている、「虚数の情緒―中学生からの全方位独学法」である。中学生レベルの数学の知識で、…

限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭、読了

限界費用ゼロ社会 〈モノのインターネット〉と共有型経済の台頭を読んだ。備忘録として記しておく。「資本主義は今、後継を生み出してつつある。それは協同型(コラボレーティブ)コモンズで展開される、共有型経済(シェアリングエコノミー)だ。共有型経済…

濫読日記風、その8

ソフトウェアエンジニアリング基礎知識体系 ―SWEBOK V3.0―。読了 目次と項目にざっと目を通した。訳文が若干こなれていないような印象を持った。原文はIEEEの著作権のもとで無償で公開されている。https://www.computer.org/web/swebok/v3伝統的なソフトウェ…